子どもの教育費って、いくらかかるの?
──"大学ぜんぶ"を今から用意しなくて大丈夫な理由
公開
「子ども1人に、教育費は1,000万円かかる」——
どこかで聞いて、ドキッとしたことはありませんか。
数字だけ見ると、気が遠くなりますよね。
でも、安心してください。
その1,000万円を、今すぐ用意する必要はありません。
教育費は、生まれてから大学を出るまで、20年以上かけて少しずつ払っていくお金です。
大事なのは「全部でいくら」ではなく、「いつ・いくら必要か」を分けて考えることなんです。
このページでは、教育費の全体像と、味方になる児童手当、そして「大学費用をどこに貯めるか」を、公的なデータをもとに整理します。
読み終わるころには、ぼんやりした不安が、具体的な数字に変わっているはずです。
📖 この記事でわかること
- ・教育費は、ぜんぶでいくらかかるの?
- ・なぜ「今ぜんぶ」を用意しなくていいの?
- ・大学費用は、どこに・いくら貯めればいい?
教育費は、ぜんぶでいくら?
まず、全体像から見てみましょう。
子ども1人にかかる教育費(幼稚園〜大学)は、進路が公立か私立かで大きく変わります。
公的な調査をもとにすると、こんな目安になります。
子ども1人の教育費(幼稚園〜大学の合計)
※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(令和8年1月訂正版)・同「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査」と、日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査」をもとにした概算。塾・習い事などの学校外活動費を含みます。自宅外通学(仕送り)・浪人・大学院は含みません。
ずいぶん幅がありますよね。
すべて私立か、すべて公立かで、2倍以上の差がつきます。
とはいえ、多くのご家庭は「小学校は公立、高校から私立」のように混ざります。
自分の想定する進路だと総額いくらになるかは、教育費シミュレーターで進路を選ぶだけで出せます。
🎓 いちばんの山は「大学」
教育費のうち、飛びぬけて大きいのが大学費用です。
しかも入学の年に、受験費用・入学金・前期の授業料がまとめて必要になります。
- ・国公立大学(4年):約481万円
- ・私立文系(4年):約690万円
- ・私立理系(4年):約822万円
「今ぜんぶ」を用意しなくていい理由
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
1,000万円という数字におびえてしまうのは、全部を一度に貯めようとするからです。
でも、実際はそうではありません。
教育費は、大きく2種類に分けられます。
毎年の家計から払う分と、前もって貯めておく分です。
🏠 毎年の家計から払う
幼稚園・小学校・中学校・高校の費用。
これらは、その年ごとに毎年の家計から払っていくのが基本です。
大学のように、入学時へ一度にドカッと必要になるお金ではありません。
🎯 前もって貯めておく
大学の費用。
入学時に大きなお金が一度に必要になるので、これだけは18歳までに計画的に用意しておきます。
教育費準備の本命は、ここです。
※ ただし私立を選ぶ場合や中学受験を考える場合は、費用が大きくなります。その分は、早めに少しずつ準備しておくと安心です。
あなたが今から向き合えばいいのは、「大学費用をどう貯めるか」だけ。
1,000万円まるごとではありません。
対象がぐっと小さくなって、少し気がラクになりませんか。
味方がいます:児童手当
大学費用を貯めるとき、心強い味方になるのが児童手当です。
国から、子ども1人につき毎月支給されるお金です。
2024年10月の制度改正で、対象が高校生年代まで広がりました(それまでは中学生まででした)。
児童手当のしくみ(2024年10月〜)
- ・3歳未満:月15,000円
- ・3歳〜高校生年代:月10,000円
- ・第3子以降は、年齢にかかわらず月30,000円
- ・偶数月(2・4・6・8・10・12月)に、2か月分ずつ支給
※出典:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」。金額は1人あたりの月額です。
この児童手当、第1子・第2子なら高校卒業までの合計でおよそ234万円になります。
決して小さくない金額ですよね。
さきほどの国公立大学の費用(約481万円)の、半分近くにあたります。
いちばんのおすすめは、児童手当を生活費に混ぜず、そのまま貯めてしまうこと。
「もらったら、別の口座へ先取り」にするだけで、大学費用の土台がかなりできあがります。
※234万円は第1子・第2子の単純計算の目安で、子どもの誕生月によって前後します。第3子以降はさらに大きくなります。
教育費は使う時期が決まっているお金です。児童手当の分をそのまま別口座に積み立てるなど、毎月自動で「先取り」する仕組みを作ると無理なく続けられます。使う時期が近いお金は元本割れしにくい置き場所を選ぶのが基本です。
大学費用、どこに貯める?
では、大学費用はどこに置いて貯めればいいのでしょうか。
置き場所は、大きく3つあります。
どれか1つに決めるより、組み合わせて使うのが基本です。
| 置き場所 | よいところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| 貯金 | 減らない。いつでも出せる | ほとんど増えない。 物価が上がると、同じ額でも買えるものが減る(インフレ負け) |
| 学資保険 | 受け取る額がほぼ決まっている。使い込みにくい | 大きくは増えない。途中解約で元本割れも |
| NISA(投資) | 増える可能性がある | 使う直前に下がると、元本割れのまま取り崩すことも |
いちばん大事なのは、教育費が「使う時期が決まっているお金」だということです。
「18歳の春に、これだけ必要になる」と決まっています。
ここが、老後資金のように「使う時期を後ろにずらせるお金」との大きな違いです。
⚠️ 「全部を投資」も「こわいから全部貯金」も、どちらも極端です
投資は、増えるときもあれば下がるときもあります。
受験直前に相場が大きく下がったら、減ったまま取り崩すことになりかねません。
かといって全部を貯金にすると、物価が上がったぶん(インフレ)でこっそり目減りします。
大事なのは「投資か貯金か」ではなく、大学までの残り時間で割合を変えていくことです。
具体的には、こんな3つのステップです。
1 大学まで10年以上あるうち(低学年のころ)
時間を味方にできる時期です。
値下がりしても、戻るのを待てます。
だから、投資の割合を高めにできます。
2 大学まで10年を切ってきたら
少しずつ投資を減らして、現金へ移していきます。
受験直前の値下がりに、大切なお金を巻き込まれないためです。
3 目標の金額に届いたら
そこで現金化して、確保してしまいます。
あとは物価が上がるぶん(インフレ)で目減りしないよう、貯金で少しずつ上乗せしていけば安心です。
NISAそのもののしくみは、新NISAとは?でやさしく解説しています。
我が家は、毎月いくら?
では、実際に毎月いくら貯めればいいのでしょうか。
たとえば大学費用を、子どもが0歳のときから18歳まで、貯金だけで用意する場合の目安です。
💰 大学費用を0歳から18年で貯めるなら(貯金のみ・月あたり)
- ・国公立(約481万円):月およそ2万2千円
- ・私立文系(約690万円):月およそ3万2千円
※ここから児童手当(約234万円)を差し引けば、自分で用意する分はもっと少なくなります。
大きく感じるかもしれませんが、早く始めるほど、1か月の負担は軽くなります。
生まれてすぐ月2万円ずつなら、無理なく国公立の費用に届きます。
逆に、始めるのが遅れるほど、残りの期間で割った1か月の額は大きくなってしまいます。
我が家の場合はいくら必要か、その場で計算してみてください。
進路別の総額は教育費シミュレーターで、
「〇年で〇〇万円」から毎月の積立額を逆算するなら積立目標逆算シミュレーターが便利です。
まとめ:分けて考えれば、こわくない
🎯 覚えておくのは、この4つ
- ・教育費の総額はすべて公立で約1,098万円、すべて私立で約2,661万円
- ・幼〜高は毎年の家計から、大学だけ18歳までに貯める
- ・児童手当は高校卒業まで約234万円。使わず貯めれば土台になる
- ・大学費用は貯金・学資保険が基本。投資は低学年の一部だけ
教育費は、たしかに人生でいちばん大きな出費のひとつです。
でも、正体が見えれば、こわいものではありません。
「毎年払う分」と「大学のために貯める分」に分けて、大学分だけを早めにコツコツ。
それだけで、ぼんやりした不安は、ずっと小さくなります。
子どもが生まれた日から、大学入学まで18年。
長いようで、あっという間かもしれません。
でも、その18年があるからこそ、毎月ちいさな積み立てで大きな山を越えられます。
できるところから、はじめてみてください。
🐷 「そもそも家計に貯める余裕がない…」という方は、まず家計を見直して"種銭"をつくる3ステップへ。
🌱 「NISAって結局なに?」という方は、新NISAとは?初心者向けにやさしく解説へどうぞ。
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よくある質問
Q. 教育費は、学資保険とNISAのどちらで準備するのがいいですか?
A. どちらか一方が正解というものではなく、性格が違うので使い分けるのが基本です。学資保険は契約時に受け取れる金額がほぼ決まっていて、大きくは増えませんが減りにくいのが特長です。ただし途中で解約すると、払った額より受取額が少なくなる(元本割れする)ことがあります。一方でNISAなどの投資は、増える可能性がある代わりに、使う直前に相場が下がると元本割れしたまま取り崩すことになりかねません。教育費は「使う時期が決まっているお金」なので、基本は貯金や学資保険のような減りにくい置き場所で用意し、投資に回すなら「大学まで10年以上ある低学年のうちの一部だけ」にとどめ、入学が近づいたら現金に移していくのが安心です。ご家庭の状況によって最適な組み合わせは変わるため、迷う場合はファイナンシャルプランナーなどに相談してください。
Q. 児童手当は、全部で総額いくらもらえますか?
A. 第1子・第2子の場合、0歳から高校卒業(18歳になる年度末)まで受け取ると、単純計算でおよそ234万円になります。内訳は、3歳未満が月15,000円、3歳から高校生年代までが月10,000円です(第3子以降は年齢にかかわらず月30,000円なので、総額はもっと大きくなります)。ただし実際の金額は、子どもの誕生月によって前後します。2024年10月の制度改正で対象が高校生年代まで広がったため、以前より受け取れる期間が長くなりました。この児童手当を使わずに全額積み立てると、大学費用のかなりの部分を準備できます。「もらった分は生活費に混ぜず、そのまま先取りで貯める」のは有力な方法です。最新の制度内容は、こども家庭庁やお住まいの市区町村のサイトでご確認ください。
Q. 教育費は、いつまでにいくら貯めればいいですか?
A. 目安は「大学入学までに、大学4年間分」です。幼稚園から高校までの費用は、毎年の家計の中から少しずつ払っていくのが基本です(大学のように入学時へ一度に必要になるお金ではありません)。ただし私立や中学受験を考える場合は、その分を早めに準備しておくと安心です。いちばんの山は大学で、入学時に受験費用・入学金・前期の授業料がまとめて必要になります。たとえば国公立大学の4年間で約481万円を、子どもが0歳のときから18歳まで貯金だけで準備するなら、月におよそ2万2千円が目安です。私立文系(約690万円)なら月およそ3万2千円です。金額が大きく感じても、生まれてすぐ始めれば1か月あたりの負担はぐっと下がります。ご家庭ごとの必要額は、教育費シミュレーターや積立目標逆算シミュレーターで具体的な数字にできます。
Q. 奨学金や授業料の無償化制度は使えますか?
A. 使える場合があります。国の「高等教育の修学支援新制度」では、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯を対象に、大学などの授業料・入学金の減免と給付型奨学金(返さなくてよい奨学金)が用意されています。加えて、多子世帯(扶養する子どもが3人以上)については、所得にかかわらず授業料などを支援する仕組みも段階的に広がっています。高校についても、就学支援金の制度があります。これらの制度は年々見直されており、対象や金額が変わることがあります。本記事の金額は、こうした支援を使う前の「かかるお金」の目安です。使える制度があれば実際の負担はもっと軽くなるので、最新の内容を文部科学省や日本学生支援機構、お住まいの自治体のサイトで確認してください。
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